次の本を読む構え

なんとなく、ずっと原民喜のことを考えている。
自殺のことは本の冒頭にあったから、読了すぐはそれほど気にならなかったのだが、
今ごろになって、なぜ原民喜は死を選んだのか気になってきた。妻の死後、
原爆にあって、書き残すために生きるという気持ちになった原が、
結局、死を選んだのは、どうしてなのか。梯さんの本にも、
そのことについて書いてあったのかもしれないが、
今、手元に本がない状況で思い起こしても、
これということばが浮かばない。


ガラケーからスマホに代えようかとケータイショップに行くも、
予想外に費用がかかることがわかって、いったん保留。
昼飯にする。コーヒーを飲む。


車中のとも。
原民喜夏の花・心願の国 (新潮文庫)』(新潮社)


「壊滅の序曲」、良かった。良かった、というのも変な感じか。
戦時中の人びとの様子を、冷静に、あるひとりの人物の視点を持って
誠実に語り残しているように感じた。いよいよ、次は「夏の花」だ。


何かを読んで、その関連で別な本に興味を覚えても、
元の本以上にしみいることなくうやむやに読み散じてしまうことも多い。
『夏の花・心願の国』も、かなり古い小説だし、
途中で挫折するかもしれないと案じていたが、
杞憂であった。


岩波新書原民喜*1が、読む身構えをしっかり整えてくれていた。