2016 五本の指

今年最初の日曜日、ではない。
元旦も、日曜日だったか。元旦は、
日曜日としてはカウントしたくないね。
まぁ、いいや。今年、二度目の日曜日。
子どもの相手をいいかげんにしながら、
こそこそと去年の記事を振り返り、
今年は早めに五本の指を選定。


2016年、五本の指
い:若松英輔若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』(ナナロク社)
ろ:レイチェル・ジョイス、亀井よし子『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅 (講談社文庫)』(講談社
は:長嶋有三の隣は五号室』(中央公論新社
に:宮下奈都『誰かが足りない (双葉文庫)』(双葉社
ほ:山村修増補 遅読のすすめ (ちくま文庫)』(筑摩書房


「い」は、もう、ダントツの、2016年ベスト。
これ一冊でもいい、というくらいであった。すでに何度か読み返しているが、
これからもたびたび開いては力を借りたい一冊。


「ろ」は、久しぶりに、海外文学からの一撃を。
読後、主人公の「疲労」が乗り移ったのか、何日かぐったりとしてしまった。
すっかり忘れていたが、続編もあるんだった。文庫化、お待ちしております。


「は」は、アパートの一室を舞台に、次々と移り変わる住人を定点観測した「大河ドラマ」。
休日に一気読みしてしまった幸福な思い出。去年は、長嶋有を何冊か読んだ。
それぞれにグッとくるものばかりだった。好きと言っても、いいね。


「に」は、「ハライナイト」に備えて10月末になって読んだ一冊。
購入したのは、マリ猫さんの城にて。そういえば、これもレストランハライを軸にした、
定点観測群像劇といえるかしら。そういうのが好きなのか、俺?


「ほ」は、スタンダードブックストアあべのにて、購入した一冊。
オリジナルセレクトによるレーベル別文庫ブックフェアシリーズ #文庫本を撃て、
その第一弾でちくま文庫。見事に撃たれた。あれ、撃ったのか?いや、売られたのだ。
「ゆっくり読む」ということ、自分の好きな読み方で読めばいいということ、
去年もいろいろ「本の本」を読んだけど、心地よく励まされ刺激された一冊。


さて、2016年を駆け足で振り返ってしまおう。
年明け早々に中耳炎などを患って、40℃の高熱に倒れたり。
ブログスタートも22日と大幅に遅れたせいで記事にできなかったのですが、
倒れる前に読んだ長嶋有佐渡の三人』、堀江敏幸『燃焼のための習作』が、
それはそれは面白くって、今思えば、この2冊のおかげで1年間、
幸福な「小説読み」が続けられたのかもしれないなぁ、などと。
その二人、他にもいくつか読みました。良かった。


長嶋有佐渡の三人 (講談社文庫)』(講談社
長嶋有問いのない答え (文春文庫)』(文藝春秋
長嶋有三の隣は五号室』(中央公論新社


堀江敏幸熊の敷石 (講談社文庫)』(講談社
堀江敏幸おぱらばん (新潮文庫)』(新潮社)


2月には、ブクブク交換@hm印 1003にて。
本棚旅行も体験しました。
6月に念願のTitle訪問&サニーデイ・サービスのライブ。
5月、スタンダードブックストアあべの本棚編集術。
「第2回 生活のなかの本棚を編集する」は、
めちゃくちゃに楽しいブックトークでした。
8月、さわや書店から『文庫X』が届く。
9月には、三鷹図書館で島田さんのイベント、「読み返される本の見つけ方」*1
日野さん、北條さんらとお話できたのも良かった。
たられば書店、オープニングイベントで、
善行さんとオカタケ師匠のトーク
10月、『図書2016年10月号』夏葉社島田潤一郎さんの、
「九〇年代の若者たち」を読んだ。良かった。
12月にモバツイがサービス終了して、ツイッターをいじる時間が少し減った。


2016年も、何度か「ボリク義男」を堪能しました。
片岡義男ラストシーンの出来ばえ (角川文庫)』(角川書店
片岡義男日本語の外へ (角川文庫)』(角川書店
片岡義男万年筆インク紙』(晶文社


「本の本」と言えそうなラインナップ。
僕が読む本はしかし、8割がた、ここに入ってきてしまいそうだな。


鴻巣友季子編著『翻訳問答2 創作のヒミツ』(左右社)
村上春樹柴田元幸翻訳夜話 (文春新書)』(文藝春秋
新潮社編『私の本棚 (新潮文庫)』(新潮社)
本田『ガイコツ書店員 本田さん (1) (ジーンピクシブシリーズ)』(KADOKAWA/メディアファクトリー
山下賢二、三島宏之『ガケ書房の頃』(夏葉社)
長田弘アメリカの61の風景』(みすず書房
『HAB本と流通』(エイチアンドエスカンパニー)
保坂和志書きあぐねている人のための小説入門』(草思社
小島信夫保坂和志小説修業 (中公文庫)』(中央公論新社
村上春樹若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)』(文藝春秋
岡崎武志読書で見つけた こころに効く「名言・名セリフ」 (知恵の森文庫)』(光文社)
北田博充『これからの本屋』(書肆汽水域)
荒川洋治過去をもつ人』(みすず書房
サンキュータツオ学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』(角川学芸出版
坪内祐三文庫本を狙え! (ちくま文庫)』(筑摩書房
田中美穂わたしの小さな古本屋 (ちくま文庫)』(筑摩書房
前川恒雄『移動図書館ひまわり号』(夏葉社)
高橋源一郎鷲田清一、長谷部恭男、伊藤比呂美読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ』(岩波書店
川崎昌平重版未定』(河出書房新社
施川ユウキバーナード嬢曰く。 (REXコミックス)』(一迅社
中共子『図書館で出会える100冊 (岩波ジュニア新書)』(岩波書店
児玉憲宗『尾道坂道書店事件簿』(本の雑誌社
本の雑誌編集部『本の雑誌403号2017年1月号』(本の雑誌社
『みすず 2016年1・2月合併号 読書アンケート特集』(みすず書房
長田弘幼年の色、人生の色』(みすず書房
永江朗51歳からの読書術―ほんとうの読書は中年を過ぎてから』(六耀社)
『BOOK5 vol.22 最終号』(トマソン社)


新しくいくつかの本屋さんを訪れた。
あゆみBOOKS小石川店
双子のライオン堂
かもめブックス
神楽坂モノガタリ
京都岡崎蔦屋書店
誠光社
TSUTAYA 寝屋川駅前店
Title
喜久屋書店阿倍野
レティシア書房
一色文庫
水中書店


皿洗いをするときに、世田谷ピンポンズの歌に助けられた。
今年は、新譜も取り入れていきます。楽しみ。ホテル稲穂。


今年は、とり年とり本屋。
気合いを入れて、なんて思っていたけど、
こうして去年を振り返ってみれば、腰が抜けそうなほどの充実ぶり。
よりいっそうの、なんて、できるのかしら。できなくても、いいや。


それでも、ま、せっかくなのでね、自分の放言に乗っかって、
きままに飛んでみようと思います。今年も、ひとつ、よろしく。


2015 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20160203

2014 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20150108

2013 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20140130

2012 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20130109

2011 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20120104

2010 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20110105

2009 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20100102

2008 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20090102

2007 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20080102

2006年ベスト5
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20070102

2005 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20060101

2004 五本の指
http://d.hatena.ne.jp/tori810/20050101