ボールとしての本棚
妻子とともに、スタンダードブックストア@心斎橋*1へ。
ゆっくりと見て回る。いろいろ、欲しくなる。
やたらとわくわくさせられる。
本屋さんに行く醍醐味を、久しぶりに味わった気分。
どこが、どうすごいんだろう。とにかくすごい。
だけど、「とにかくすごい」で終わらせてしまっては、
僕がどこかの本屋さんをステキにするお手伝いはできない。
店全体の傾向も、もちろんあるだろう。
あるだろうけれど、ある棚の一角で輝いている本の並びは、
見習うことはできるんじゃないだろうかしら。
たとえば、星新一のキミドリ色の新潮文庫が、
ずらりと並んでいるコーナー。たとえば植本一子の『働けECD』*2が
音楽のコーナーのECDの著作の隣りだけでなく、地下の、
女性の生活の本の並びにも差さっている件。
立地もあるだろう。あれやこれやあるだろう。
あるだろうけれど、自分が手を入れている棚を耕すことを、
もっともっと楽しんで、お客さんをわくわくさせたい、
そう思った。また明日から、ガンバリマース。
客として、もう一言。
もちろん、このラインナップが「僕の趣味」に響く、
というだけで、万人に賞賛される本屋さんなど、ない。
万人に賞賛される一冊がないように。だからこそ、
「いいな」と思った僕が応援しなければ、いつの日か、
下手をしたらすぐにでも、この棚は消滅するかもしれない。
誰もが応援しているわけではない。
誰もが購入しているわけではない。
また近いうちに、この棚の前に立つために、
せめて一冊、購入して帰るべし。
購入。スタンダードブックストア@心斎橋
糸井重里、松本大洋『ボールのようなことば。 (ほぼ日文庫)』(東京糸井重里事務所)
鞍田崇、フィルムアート社編集部『〈民藝〉のレッスン つたなさの技法 (Next Creator Book)』(フィルムアート社)
ボールは、すべてのはじまりです。
もういっそ、あなたがボールになりなさい。(p.22)
気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
辰巳渚『家を出る日のために (よりみちパン!セ)』(イースト・プレス)
坂口恭平『独立国家のつくりかた (講談社現代新書)』(講談社)
能勢仁『世界の本屋さん見て歩き―海外35ヵ国202書店の横顔』(出版メディアパル)
ヒヨコ舎『作家の本棚 (アスペクト文庫)』(アスペクト)
西村佳哲『なんのための仕事?』(河出書房新社)
鷲田清一『だれのための仕事――労働vs余暇を超えて (講談社学術文庫)』(講談社)
水野学『アウトプットのスイッチ』(朝日新聞出版)
マイケル・マハルコ ナビゲート:加藤昌治、齊藤勇 監訳:小沢奈美恵、塩谷幸子『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社)
菅付雅信『はじめての編集 [単行本]』(アルテスパブリッシング)
なかにし礼『歌謡曲から「昭和」を読む (NHK出版新書)』(NHK出版)
藤田貴大『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』(白水社)
平田オリザ、松井孝治『総理の原稿――新しい政治の言葉を模索した266日』(岩波書店)
安野光雅『おとぎの国の郵便切手 (安野光雅の本)』(岩崎書店)
星新一『明治・父・アメリカ (新潮文庫)』(新潮社)
星新一『人民は弱し 官吏は強し (新潮文庫)』(新潮社)
坪内祐三『東京タワーならこう言うぜ』(幻戯書房)
高橋源一郎『さよならクリストファー・ロビン』(新潮社)
上林暁、山本善行『上林暁傑作小説集『星を撒いた街』』(夏葉社)
ヴィーラント・シュミート、光山清子『エドワード・ホッパー―アメリカの肖像 (岩波アート・ライブラリー)』(岩波書店)
新井敏記『SWITCH Vol.30 No.1 特集:僕らのバイブル』(スイッチパブリッシング)
中島恵雄『FANTASTIC SOMETHING』(BOOKLORE)
石川理恵、金子亜矢子『展示・ものづくり はじめの一歩―小さな発表会をひらこう』(グラフィック社)
本山賢司『森で過ごして学んだ101のこと』(東京書籍)
奥成達、ながたはるみ『遊び図鑑―いつでも どこでも だれとでも (Do!図鑑シリーズ)』(福音館書店)
今福龍太『むかしの山旅 (河出文庫)』(河出書房新社)
開高健、立木義浩『風に訊け (集英社文庫)』(集英社)
五十嵐太郎『建築・都市ブックガイド21世紀 (建築文化シナジー)』(彰国社)
『タオルの本―世界一タオルを研究している会社がつくった』(マガジンハウス)
『独立国家のつくりかた』書名から、政治か何かの本だと思ってたが、
坂口恭平って、やはり0円ハウスの人だった。見間違いじゃなかった。
「マイ国家」@星新一、デンキチ王国@北杜夫の世界でしょうか。
『作家の本棚』は、『本棚』『本棚〈2〉』を再編集したものらしい。
うーむ、これは単行本で買った方がいいのか。悩ましい。
『星を撒いた街』実物は初めて見た、かな。
善行堂(id:zenkoh)で購入しようと、虎視眈々と企んでいるのだが。
『風に訊け』は、『「処方せん」的読書術』*3で紹介されていた一冊。
『風に訊け―ザ・ラスト (集英社文庫)』というのもあった。
そうそう、nomazon*4のトークショーをやるらしく、
予約してきた。立派なチケットをいただいた。6月8日。楽しみだ。